とりまかし日記

経済学のアイデアを使って考えたことや、読んだ本の感想を書いています。

「アサヒビアリー」ビールとノンアルコールビールのはざま

電車の中吊り広告を見て、これはと思った。目に飛び込んできたのは「ビアリー」という新商品の広告で「微アルコール」を謳っている。アルコール度数0.5%はビールのちょうど10分の1ほど。ビールという英単語「Beer」の語尾に「y」がくっ付いた商品名に「ビールっぽい」というニュアンスを感じる。さすがビール業界のリーディングカンパニー。面白いことを考え出すなあと思う。

さっそく試してみたいと思って近所のスーパーを探したものの、この日は結局見つからなかった。仕方ないので今日はひとまずお預けと思い、ビアリーのウェブサイトをチェックしてみる。ノンアルコールビールが市民権を得てだいぶ時間が経つが、ウェブサイトの説明によるとビアリーはれっきとしたビールの仲間と言えそうだ(写真①)。これは単にわずかとはいえアルコールが入っているからというだけでなく、製法が基本的にビールと同じだからだ。

ホップなど100%ビール由来の原料を使用し醸造した香り豊かなビールから、アルコール分のみをできるだけ取り除く「脱アルコール」製法により作られています。*1

 

 

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写真① アルコール分、製法で分けるとビアリーはビールの仲間

かねてから健康のためにビールをノンアルコールに(時々は)切り替えていたものの、やはりノンアルはまったく別物だと感じていた。そういう身にとって「微アルコール」のビアリーには期待が持てそう。

さて、翌日もまたスーパーへ足を運ぶと今度は「新発売」のポップと一緒に商品棚の大きな空間を占めて並んでいた。ひょっとしたら昨日は見落としていただけなのかもしれない。そう感じるほど周りに溶け込んでいた。さっそく購入する。

実物を見て気づいたのだが、缶には「名称 炭酸飲料」と書かれている。アルコール度数が1%未満の飲み物は酒税法でいう酒類(お酒)に当てはまらないことが理由だ。果汁5%未満のジュースが無果汁と表示しているのと似ている。ともあれ「お酒か否か」で区分するとビアリーはビールではなくノンアルコールビールの仲間と言える(写真②)。

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写真② 酒税法はビアリーをノンアルと同等に位置づける

さて実際に飲んでみての感想は……、ノンアルコールビールと同じだ。ビールではない。「度数の低いビール」を想像して飲むと随分と肩すかしを食う。個人的にノンアルビールには独特の酸味を感じるのだが、ビアリーにもまさに同じ味を覚える。製法よりも酒税法が仕分けの物差しとして適切ということか。写真で言えば①ではなく②のグループ分けがしっくりくる。価格がノンアルコールビールよりも本物ビールに近いことを思うと、今後はあまり買わないかもしれない。

やや残念に思ったものの味覚や嗜好は人それぞれ。わずかであってもアルコールが含まれているので、ノンアルコールビールをまったく物足りないと思う人には試す価値があるはず。不幸にもビアリーは僕に合わなかったけれど何より新しい商品を生み出す企業力には恐れ入った。次は何を出してくるかなと期待しつつ新しい発想の商品を楽しみに待とう。